いま、「日本は弱い特許出願が、なぜ多いのか」というテーマに取り組んで能書き纏めている。だから、「なぜ?」というキーワードには分野を問わず極めて敏感になっている。
朝日新聞朝刊(1月23日)の一面と2面にわたって「強欲の代償」ボーイングの危機という記事が目に入った。
その見出しは、「金融マシン」化 失われた安全とあった。ボーイング737MAXの墜落事故で妻子を亡くしたジョロゲ氏(アフリカ人)のことが取り上げられていた。
ジョロゲには知りたいことがたくさんあった。なぜ、ボーイングはそんな危ない飛行機を作ったのか。米国空当局が運航を許したのはなぜか。なぜ、最初の事故を起こした後も、737MAXは平然と世界の空を飛び続けたのか。いくつもの、なぜ?、投資のプロとして思い当たるフシがあった。ボーイングの株価への執着だ。自社株買いや配当の大盤振る舞い。業績の見通しを上回り続けることへのこだわり。会社にゆがみをもたらしていないか。以前から気になっていた。企業の経営分析なら本職である。事故から1か月ほどたち、家族を失った悲しみを紛らすようにボーイングの経営や737MAX就航のいきさつを調べ抜いた。疑いは確信へと変わる。安全な飛行機を作る「エンジニャリング企業」から、株主のために、キヤッシュを生み出す「金融マシンヘ」とその本質を転じていたのだ、と。それはボーイングだけの現象でなく、米国の資本主義そのものの変容をも写し出していた。(記事をそのまま記載)
ボーイング社が株主市場主義に染まったのはなぜか。その底流にある思想とは、1月24日~27日までの5回、シリーズとして経済面で取り上げられていた。
発明くが取り組んでいるテーマ「日本の特許は、なぜ弱いのか」は、悪戦苦闘中であるが、なんとかまとめ上げたい。(発明くん2022/02/10)
NHKでは「鎌倉殿の13人」に関する見どころを取り上げ、視聴率アップに努力している。このドラマの切り口は、「お公家衆」と「武門」の権力争いを根底にしていると思う。そのポイントは、
1.鎌倉幕府以前の社会体制は、朝廷を担ぐ「お公家衆」と、その少数集団に奉仕する民衆(土民)という図式で表わすことができる。この社会体制は、今日に至るまで、基本線が維持されている。
2.開墾農場主である武士と呼ばれる集団の出現は、京都公家衆には頭痛の種であった。その末期は武門の集団である平氏が、わが世の春を謳歌したが独立の権力集団になることはできず、実質は「お公家衆」として存在していたと言える。
3.鎌倉幕府の開府は、京都に取って代わったところにある。源頼朝は、平家の失敗を教訓として武門による国家経営の時代を開いた。しかし頼朝は、京都にはそれほど強く対抗したわけではない。
4.強硬であったのは、京都には何の未練もない北條氏であった。朝廷側が反革命のクーデターを企てた「承久の乱」に際しての、北條政子の坂東武者に向かっての激烈な演説には、京都に対する遠慮が無い。ここに武門による支配がはじめて確立することになった。しかし、
5.北條といえども京都をつぶすことまでは徹底せず、京都から与えられる位、昔の国司の尊称である「何とかの守」などは武士に与えられていた。京都のお公家衆の影響力は、なぜか日本の中に根付いていたことになる。敢えて敵を作らず、曖昧に処理をしてきた日本人の生き方が(精神 思想)このドラマの見どころなのかな。(発明くん 2022/01/17)
日本のルネサンス:鎌倉から戦国
年末年始の休日は、大河ドラマシリーズ「鎌倉殿の13人」に関する本を読んで過ごした。また1月5日のNHK放送:英雄たちの選択でも「鎌倉殿の13人」が取り上げられていた。
篠原氏が過去に投稿したブログがある。表題は、名こそ惜しけれ、日本人の美学の核、である。彼が言いたいのは「名こそ惜しけれ」とは、いうまでもなく坂東武者の中に育った「美学」であるということ。それは自分の名にかけて、物事はキチンとやるという自意識を高く持った誇り高い存在を支えている美意識である。武士の勃興から戦乱の終結である夏の陣までの歴史は、日本人の精神の源泉である。単に精神における美学だけでなく、仏教という哲学も大きく発達させたし、生活における様式美も、建築その他における造形美術においても、世界最高の水準であったし、その伝統は今でも生きている、と。(発明くん2022/01/07)
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(79)名こそ惜しけれ:日本人の美学の核 : あいあ~る村塾 (exblog.jp)
「なぜ?」の続き:統計書き換え、尽きぬ「なぜ」
国土交通省の統計不正を朝日新聞が報じてから22日で2週間がたった。政府は問題を認めて謝罪したが、疑問は山積だ。(朝日新聞朝刊12月23日)
その疑問とは、・だれが、いつ、なぜ指示したのか ・二重計上と知りながら、なぜ書き続けたのか ・なぜ訂正できなかったのか ・なぜ公表できなかったのか
日本知財業界は、これまでのシステム(体制)が臨界状態にあり、改革が求められている。改革するには、まず問題の本質を突き止める必要がある。諸問題を解決するには、この「なぜ?」を追うことで、事の本質と解決策が見えてくるはずだ。
発明くんがいま考えている知財業界の「なぜ?」は、そもそも、なぜ特許出願するのか、が起点である。
これを起点にして、日本は、 ・権利行使が出来ない休眠特許が、なぜ多いのか ・特許移転(ライセンス)が、なぜ進まないのか ・特許侵害訴訟の件数が、なぜ少ないのか ・権利範囲の狭い特許が、なぜ多いのか ・特許明細書は、なぜ読み難いのか ・特許に掛かるコストが、なぜ重いのか 等々を追えば、無駄な特許出願が、なぜ多いのか、あるいは、無駄ではなく特許出願の目的を夫々果たすには必要である、といったことに辿り着けるかも知れない。新しい年は、これらの「なぜ?」に取り組むつもりでいる。(発明くん 2021/12/27)
(*)自動車の電動化で日本が誇ったガソリンエンジンに関するこれまでの膨大な特許がどのように処理されていくのか、といったことも気になる。
12月に入ってから日米開戦に関する記事が多い。朝日新聞では「日米開戦80年」と題して12月8日から11日まで「日系人の記憶(1)-(4)」が連載されている。何れも日系人たちが味わった苦悩を伝えている。日系人ということだけで強制収容された収容所での暮らし、米軍として日本軍と戦った日系人たちの、苦悩、思いを伝えている。
12歳の時に収容所所に入れられたロバート・フチカミ(91)氏の苦悩が語られていた。
クラスメートと話すことは、日系人というだけで俺たちは何も悪いことはしていない!なのに、なぜ連れてこられたのかが分からない!。俺たちは理不尽さに強い傷を心に残したと語っている。両親たちに話しても「仕方がない」と、しか答えてくれない。いちばん辛かったのは、「誰が、何時、何処で、何をして、なぜ我々は収容所にいるのか」という問いに対する答えが分からなかったことだ、と。
余談になるかもしれないが、発明君は、この「なぜ? なぜ?」というキーワードに強い拘りを持ち続けている。思うに「物・事」の本質を知るには、この「なぜ? なぜ?」の問いかけが問題解決への基本だと考えている。
発明くんの能書きにも「なぜ?」を切り口にした書き物が多い。しかし内容が拙いので読んでくれる人は圧倒的に少ない。
とりあえず発明くんのホームページへ、それらの能書きを残すことにしている。読んでくれる人がいれば嬉しい。(発明くん 2021/12/15)
IPMA (ipma-japan.org)
・日本人は、なぜ英語が苦手なのか
・日本は、なぜ半導体事業で負けたのか
・他