80年前のアメリカの国民の多くは、額に汗して働くことに価値を見い出す労働観の持ち主であったはずだ。一攫千金を夢見るものたちは、社会の外れ者として見られていたはずだ。1904年にドイツの社会学者マックス・ウエーバー(Max Weber)がその著作「プロテスタントの倫理と資本主義の精神 The Protestant Ethic and the Spirit of Capitalism」で分析したように、80年前のアメリカ国民の主流の倫理観は、清教徒(puritan)またはプロテスタント(protestant)の質実剛健であったはずだ。
嫌な話、聞きたくない話よりも、耳に目に快い話を好む「大衆」が、事態に正面から向き合う知性と勇気を取り戻さない限り、エンター(inter 間で)テインンメント(tenere to hold 持つ)、すなわち「一般受けする」演出は舞台側でも報道側でもなくならず、この数十年の歴史を眺めればその傾向はますます強まるばかりであることがわかる。上で述べた尺度を適用するならば、社会のデカダンスの度合はますます深まっているということになる。近代工業化文明の末期症状のひとつと言えるだろう。 (09.03.24.篠原泰正)
特に、議会の議員連が頭に来ていて(あるいは国民である地元選挙民の怒りに調子を合わせて)、”支払われたボーナスを全額返却させろ”とか、”もし返さないなら100%の税金をかけるぞ”、なんて息巻いているようだ。中には、普段は穏やかな人柄といわれている共和党の上院議員チャールス・グラスリー(Republican senator Charles Grassley)氏などは、昨日のラジオインタビューで、日本人に見習って、AIGの幹部はハラキリしろとまで言い出すしまつである: "I would suggest the first thing that would make me feel a little better toward them 私がまず言いたいのは、彼らに対して少しは気分が和らぐであろうということだ if they'd follow the Japanese example もし彼らが日本人の例を見習うなら and come before the American people アメリカ国民の前に出てきて and take that deep bow and say, 'I'm sorry', 深くお辞儀をして、「申し訳ございません」と言うならば、 and then either do one of two things: そして次の二つのどちらかを実行してくれるなら(気分は少しよくなるだろう) resign or go commit suicide. 辞職するかあるいは自殺するか(のどちらかを) And in the case of the Japanese, 日本人の場合は they usually commit suicide before they make any apology." 彼らは通常は、謝罪をする前に自殺してしまうのだ。 (英文は本日のガーディアン紙から、拙い訳は私)