コロンブスのひとつ前の世代の、ポルトガルのエンリケ航海王子(Infante Dom Henrique, Prince Henry the Navigator)が開いた「大航海時代」(この名称は日本の増田教授の命名であり、英語では単にAge of Discovery)は、同時に「資本主義」の幕開けでもあった。大きなお金を持っている投資家(資本家)が、そのお金を冒険家に託して、一発当てるビジネスを始めた時代である。その後、石炭の利用と蒸気機関の発明でもって、「産業革命」が実現されてからは、航海で金銀や香料のような高価な商品を持ち帰る事業よりはずっと堅実な、「製造」事業が中心となった。