第3世界(the third world)とは工業化先進諸国に分類されうる欧米諸国が、自分達以外の国を勝手に第2、第3と区分した内の一つで、特別な意味はない。しかし、その第3世界に属する国の普遍的な特徴として、国内が極端な二つの世界、金持ちと貧乏人に分けられていることを挙げることができる。逆もまた真なり、と見るなら、国内が、誰が見ても分るほどに、二つの世界に分断されている国は、「第3世界」に属するということもできるだろう。
USAは1920年代には、今のように超金持ちと貧乏人の社会にはっきりと分れていたようだ。それが、大恐慌(the Great Depression)の後の社会福祉政策とヘンリー・フォードのように、大量生産イコール大量消費者経営方針のお蔭で、そして石油が湧くように出てきたお蔭で、幅広く中産階層が育った。この中産階層の成長とアメリカの繁栄はぴたりと重なっている現象であった。今のUSAにはそのような歴史があったとは想像もできないような社会になってしまっている。
コロンブスのひとつ前の世代の、ポルトガルのエンリケ航海王子(Infante Dom Henrique, Prince Henry the Navigator)が開いた「大航海時代」(この名称は日本の増田教授の命名であり、英語では単にAge of Discovery)は、同時に「資本主義」の幕開けでもあった。大きなお金を持っている投資家(資本家)が、そのお金を冒険家に託して、一発当てるビジネスを始めた時代である。その後、石炭の利用と蒸気機関の発明でもって、「産業革命」が実現されてからは、航海で金銀や香料のような高価な商品を持ち帰る事業よりはずっと堅実な、「製造」事業が中心となった。
The frozen bogs of Siberia are melting,
and the thaw could have devastating consequences for the planet,
scientists have discovered.
(The Observer Sunday, September 10, 2006 以下引用同じ)
シベリアの凍った沼沢地が解けている、
そしてその凍解は地球に壊滅的な結果をもたらすかも知れない、
と科学者達が発見した。
They have found that
Arctic permafrost,
which is starting to melt due to global warming,
is releasing five times more methane gas
than their caluculations had predicted.
科学者たちは以下を見つけだした;
北極圏の永久凍土は、
-それは地球温熱化*によって解け始めている-、
5倍ものメタンガスを放出している
自分達の以前の計算で予測したよりも。
The level of emission is alarming
because methane itself is a greenhouse gas.
その程度は危機的である、
なぜならメタンそれ自体が温室効果ガスであるから.
The discovery of these levels of methane release suggests that
これほどの割合でのメタンの放出という発見は以下のことを示唆している;
the planet is rapidly approaching a critical tipping point
地球は急速に決定的な頂点に近づいている
at which
その頂点において
global warming could trigger an irreversible acceleration in climate change.
地球温熱化は気象異常を回帰不能にまで加速する引き金となるかもしれぬ。
そして分析は示唆している:
The world has less than a decade
世界は10年以下しか持っていない
in which to halt global warming
地球温熱化を止めるための期間として
before it reaches a point of no return.
その地球温熱化が回帰不能地点に到達するまでに。
私の机の上に1冊のレポートがある。米国オレゴン州(Oregon)ポートランド市(City of Portland)が先月7月25日に発行したピーク・オイルという事態に対処するための対策原案で、「Peak Oil Task Force Briefing Book」と題されたものである。国あるいは地方自治体において、ピーク・オイルに対処する計画を発表したのは、今までのところ私が知る限り、スエーデンとこのポートランド市だけである。
日本の歴史において、国難を迎えたときに「政府」と「国民」の精神力と体力が健全であったのは、鎌倉時代の蒙古襲来と、大航海時代のスペイン帝国の野心をなえさせた信長・秀吉の時だけである。当時のスペインの尖兵役をつとめたイエズス会(Compania de Jesus)の宣教師の報告書を読めば、”日本を植民地あるいは属国にするのはとてもとても無理でございます”とあきらめたことがわかる。日本という国が元気に溢れていたのだから当然の観察であろう。