研究所のグループで力を入れて開発を始めた無溶媒マスクも、順調に進んでいる。新製品の拡販を通じて営業から入ってくるマーケット情報の質も量も以前と比べたら格段である。情報では、マスクの無溶媒化に対する潜在需要は思ったより大きい。
それに、私が特許分析から予想したとおり、業界での製造プロセスの革新によって、マスクに対して要求される特性が分野によってはすでにかなり楽なものになりつつある。しかもこの分野では配線基板が一貫して大量製造されているので、マーケットは大きい。どうしても無溶媒化すると溶媒タイプの従来品と比べて化学薬品に対する抵抗性が低くなる問題が未解決であった。だが、これはどうやらこのマーケットならば許容されるようだ。事業部サイドの期待が高まっている。無溶媒マスクを開発するには追い風である。ここのところの新製品が好評であることから研究グル-プに対する事業部サイドの信頼を取り戻せたことが大きい。(クリヤ・ビュー)