特許を出願する目的は何ですか?
1.勲章、ステ-タスとして権利を取る
2.自社の発明を安全に実施する為にに権利を取る
3.この発明を実施しては困ります、という告知をする為にとる
2.の目的は,自分の発明を産業発展の為に役立たせる、という日本特許法第一条の趣旨にあっているのかも・・。ただし条件がある。それは自分の発明を隠すことなく明確に書いて堂々と実施することである。
3.の目的は,排除することである。度が過ぎたり、審査を間違えると産業発展の妨げにもなる。グロ-バル社会において特許権は市場戦争の合法的な武器として使う、あるいは財産運用をして儲けるという米国、欧州、中国的な考えとはちょいと違うかも。日本の場合は排他権だけが出願目的になっている。であれば自分の発明を曖昧にしないで明確に書くことは当然のマナーといえる。
また他社発明との比較や”この部分が私0発明権利であるから気をつけてください”という禁止技術も書くことも最低のマナーである。それには、まず自分の発明の本質を的確に掴み、さらにその発明を多面的に展開させ広く深みのある特許明細書にしておく必要がある。そのためには発明者はバリエ-ションを増やす創造力と論理力が必要となろう。
つまり、発明者のアタマの中にある情報をいろいろな観点から引き出し整理することが求めらる。そのツ-ルとして弊社が開発したのが、創造技法「MC法」の実践ソフト「MEMODAS]である。
良い書き物(小説等)は主人公のことは勿論、他人のこともしっかりと書いている。だから話が膨らんで面白い。他方つまらない書き物は自分の事しか書いていない。良い特許明細書とは他人のこともキチンと書かれた発明仕様書のことだとおもう。本丸を守る為には、バリエ-ション豊かな出城を多面に構築して敵の侵害から守る必要がある。日本の出願はいきなり本丸をさらけ出して無防備の状態のものが多い気がする。しかもそれを翻訳して海外出願をすると、翻訳が酷くて惨憺たる状態担っている。
グロ-バル社会になった以上は日本的な考えは捨て視点は世界にあわせるべきであろう。発明を守ってくれるのは発明仕様書(特許明細書)に書かれている文章だけである。ただ、数をたくさん出した処で役立たないのでは単なるお金の無駄使いとなる。
日本企業と外国企業の考え方の違いは,雇用関係に影響していると思う。終身雇用精度と転職を重ね、いつ敵側の人間になるか判らないという緊張感の差は大きい。このような背景から外国企業は技術流出防止に対するリスク管理ができている。矢間伸次)