来年、北京でオリンピックがあるそうだが、本当に開催できるのだろうか。水も空気も汚染されているから、そんなところで目いっぱい跳んだりはねたり泳いだりしたら、病気になってしまうのではなかろうか。歳をとると心配性になるから、余計なお世話と言われるかも知れないが、ホンマ、心配である。
本日の英国ガーディアンの記事を読むと、これは心配性の人でなくとも、ぞっとするようなことが書かれている。何でも、OECD(Organization for Economic Cooperation and Development)がプロジェクトを請け負って、1年半かけて中国全土の公害状況を調べての報告ということだが、挙げられている数字は半端なものではない。
Up to 300 million people are drinking contaminated water every day.
3億の人が毎日汚染された水を飲んでいる。
And 190 million are suffering from water related illness each year.
1億9千万の人が、水が原因で病気に苦しんでいる。
One third of the length of all China's rivers are now "highly polluted".
中国の全河川の流路の3分の1は高度に汚染されている。
75% of its major lakes are highly polluted.
主要湖水の75%は高度に汚染されている。
Nearly 30,000 children die from diarrhea due to polluted water each year.
およそ3万の子供達が、汚染された水が原因の下痢のために、毎年死んでいる。
More than 17,000 towns have no sewerage works at all.
1万7千以上の町には、下水施設がまったく無い。
中央政府は公害・汚染を防止しようと懸命な努力を続けているようだが、地方 政府は経済発展最優先でやっているから、中央の言うことなどに聞く耳を持たないらしい。
Central government calls for greater energy efficiency and tighter controls on polluting industries are often ignored by local officials who push for industrial expansion regardless of the costs to human helth and environment.
Even the capital city, Beijing - which is being dressed up for "green Olympics" - cannot escape the dire consequences of breakneck growth.
「グリーンオリンピック」の装いに凝らしている北京も、途方も無い成長の恐るべき結果から逃れてはいない。
Today - like yesterday and the day before - the city's skies were dark with a sulfureous smog that was so thick that is seemed to swallow up skyscrapers.
一昨日も昨日も今日も北京の空は硫黄スモッグで暗く、あまりにもそれが濃いものだから摩天楼もスッポリ飲み込まれている。
The air quality is somethimes so poor that schoolchildren are warned to stay indoors at breaktimes.
空気の質があまりにも悪いものだから、時には、学童は休み時間でも屋内に留まるよう警告が出されている。
こんなところで42キロもマラソンできるのかね。日本の陸連と水連はよくよく考えて、参加するか否か決めた方がよいのではなかろうか。
既存のものにプラスして、毎週2箇所石炭の火力発電所を新設して、毎年20億トンもの汚い石炭を燃やしているわけだから、北京の空が硫黄スモッグで汚れるだけでなく、それが酸性雨となって日本列島を襲っているのではなかろうか。こりゃ、オリンピックなんてことに浮かれてはいられないのでは。
(07.07.19.篠原泰正)