21.パテントマップとは全く個性的なものであって、その都度目的にあった方法で実施しなければならない。
22.創造力の要は情報の活用力だ。このような前提を置いたとき、人の創造力に影響を及ぼす因子には①記憶力②技術力③時間④緊張感⑤ニーズから構成される。
23.創造力を共有することができれば、個人の創造力は格段にアップできるはずだし、組織の創造力も同様だ。しかも、先人の優れた創造力を後輩に伝えることができるから、後輩は、先輩の創造力に磨きをかけて、より優れた創造力を自身のものにできる。
24.植田氏ら(東京大学大学院総合文化研究科)は、研究及びオリジナリティについて以下のように述べている。研究とは①初期情報(先行研究・事例・製品など)に、実験・観察・思考を繰り返しながら②新たな情報を付加し、足りない情報を補っていくプロセスである。
オリジナリティの高い創造的研究や新製品の開発の鍵を握るのは③発想の転換である。発想の転換は以下によってもたらされる。
(A)視点の転換
(B)類推
(C)予期せぬ発見への注目
創造力とは①初期情報をもとに、②価値のあるコンセプトを、③発想の転換をして、を作り出す力である。
25.小さな国には大きな国ほど多様なニーズはない。大きな国には必要でも、小さな国に不必要なものはたくさんある。逆に小さな国にあるニーズ、つまり小さな国で必要なものは大きな国にも必ず受け入れられる。
26.多様さだけでなく、密度と深さが日本の創造力の源といえると思う。つまり、日本が地理的に隔たれた、物理的に狭くて高密度で均質な国であるということが日本の独創性の根源だと思う。
27.研究開発の効率アップの必要性が叫ばれ、上層部に対する報告やフォローアップに割かねばならない時間が大幅に増えた。有望な課題を生み出すために是非とも必要な、情報の収集とその構造化のための時間など取れるはずがない。
28.技術内容の分類(切り口やキーワード付与)と要約作成などは社内の技術を良く知った十分経験の積んだベテラン技術者が適切である。彼らがクリエイティブなエース技術者への支援をすると良い。役職定年制度は優れた制度である。この制度を前向きに明るく使う社内文化が必要だ。(矢間伸次)