久里谷美雄は芸名である、儲かる研究テ-マを探索する為のデ―タベ―ス作りの第一人者である、弊社の商品、「MEMOLOG]の開発者でもある。
1.企業内には相変わらず昔ながらのゼネラリストを目指し、成長期・成熟期にひたすら根性を発揮して、その結果、自己改革を怠ってきた中高年者が溢れている。
2.知恵のある経営者は経費削減とリストラで、うまい「ネタ」が次々と生まれる知的基盤(プラットホーム)を構築する。知的プラットホームとは、ベテランの知恵を活用・継承し、若者が「創造力を共有」して持てる力をフルに発揮できる基礎・基盤のことだ。「創造力を共有」すれば儲かる「ネタ」がどんどん生まれる。儲かれば、人減らしの必要はない。
3.当初筋がよいと判断したテーマでも、実行に移してみると、実は筋が悪いものであるケースは少なくない。リーダーはテーマの筋が悪いと判断したら、その時点で中止あるいは中断する責任と権限をもつ。これは即ちリーダーが、新しく別の、筋の良いコンセプトを生み出す責任を持つということを意味する。
4.筋の良いコンセプトを生み出すための投資は、筋の悪いテーマを継続するための投資と比べたら、たかが知れている。その投資を我々はこれまで怠ってきた。この当たり前の道理や過ちを、我々はもっとよく考えるべきである。
5.多くの人が、アイデアやコンセプトは、準備や努力もなく、一瞬の内に生み出されるものと誤解していることだ。無形のものは無償で生み出せるものだと思っている。テーマに困ると研究開発テーマをタダ同然の報奨金で社内提案に期待したりするのはその良い証拠である。
6.どのような情報でも、それを整理加工しなければ役にたたない。例えば、新聞記事の情報をスポットでなく時系列に並べて整理すると、そこに新しい情報が見えてくる。このようにして情報を一つの群・流れとして眺めることが重要になるのである。
7.情報が課題を生み出すために活用されるためには、それが入手されたあと記憶され、整理されている必要がある。課題を生み出す力を高めるには、構造化された情報を増やす努力をするしかない。
8.課題解決のためには、存在する初期情報の全てを対象にして、必要な情報を捜すことができる。課題がないときは、どんな情報が必要かが解らない。必要な情報が何か分らなければ、外部の初期情報は活用できない。つまり商用データベースは、課題解決のためには有用だが、課題を生み出すためにはそのままでは無力である。
9.探索調査は課題を生み出すための調査である。探索調査をするためには、幾つかの目的調査で得られた多種類、分野の情報をどこかに集め、それを融合、統合させ、いろんな視点からのぞき込み、新しい情報を生み出す必要がある。
10.課題さえあれば、それを解決するための情報を、氾濫する情報の中から、コンピューターを使って自身の机上で簡単に行える。そんな簡単なことが先輩たちよりも少し上手に行えることで、自身に能力があると錯覚し、そこまでで終わらせていないか。(矢間伸次)