日本での特許係争のマナ-は、お互いを追い詰めたりキズをつけないことである。そのためには「特許明細書」は、どちらとも取れる意味不明なドキュメントに仕上げなければならない、つまり「落としどころ」を必要とするのだ。
勿論このドキュメントは、世界の人達には理解されない。このドキュメントは、日本人だけしか通用しない特殊で奇怪な代物である。アメリカ人は、日本人の書くドキュメントは、「隠している、卑怯者」であり武士道に反していると言うことになって、金をまきあげる。然し日本企業は製品を売りまくって金があるから100億、200億払ったところでおつりがきた。しかもアメリカは物作りしていないから被害は「賠償金」だけですんだ。つまりこれまでの被害は限定的であった。
ところが物作りしている中国は、日本企業に無限の被害をあたえる。中国人は欧米人を手強い相手と見ている。それは欧米人の書くドキュメントが凄いからである。中国人は日本人を甘く見ている。それは日本人が書くドキュメントが欠陥品でだからだ。これは翻訳だけの問題ではない、論理的に書く「構成力、展開力」が欠如していることが起因している。(矢間伸次)
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