5月15日の宵は、トロン博士、坂村健氏の講演に出かけた。日本発の技術を世界に発信させる、と言う熱きメッセ-ジは充分に伝わってきた。日本人は「木を見て森を見ず」「独創性は嫌う」といった話の下りは大変共感できた。
坂村健博士が運営する「UID(ユビキタス研究会?)」は僅か22の団体でスタ-ト(2002年?)したが、いまでは500を越えているとのこと。マスコミなどで紹介され始めた頃から急速に増えたようである。
矢間が考えるには、この現象は日本特有のものである。ある参加数を超えると、今度は「乗り遅れまい」とする危機感が出てくるらしく「我も我も」と寄ってくるようになる。ここまで来ればシメタものである。しかし多くの先駆者達が途中で頓挫する。だから日本に独創技術がでにくい。
ユビキタスは「何時頃、商売になるのか」という質問があった。この質問も日本人特有のセンスである。儲かることが証明されればやるけど、その保証がないものにリスクは負わないということであろう。
坂村博士いわく、我々はユビキタスの到来を夢を見てその実現に情熱をそそいでいる。つまり日本人が苦手とする「森」の部分であるインフラの構築をめざしているのだ。その森の中の木の部分で日本企業が得意とする商売のタネがあるかもしれない。
いずれにしてもユビキタス時代の到来に15-16年は掛かるであろう。となると2015年以降か?1990年にオ-プンされたインタ-ネットでも今日の姿になるのに15年は有している。(坂村)
この話が印象的であった。これまで日本あいあ-るが手掛けて来た商品が、大体15年くらい掛かっているからだ。しかし、そろそろ芽がでて花が咲きそうである。なぜなら時代が要求している事をヒシヒシと感じているからだ。更に決して間違った事はしていない、正しいことをしている、という信念が我々にはある。(矢間伸次)