NHKでは「鎌倉殿の13人」に関する見どころを取り上げ、視聴率アップに努力している。このドラマの切り口は、「お公家衆」と「武門」の権力争いを根底にしていると思う。そのポイントは、
1.鎌倉幕府以前の社会体制は、朝廷を担ぐ「お公家衆」と、その少数集団に奉仕する民衆(土民)という図式で表わすことができる。この社会体制は、今日に至るまで、基本線が維持されている。
2.開墾農場主である武士と呼ばれる集団の出現は、京都公家衆には頭痛の種であった。その末期は武門の集団である平氏が、わが世の春を謳歌したが独立の権力集団になることはできず、実質は「お公家衆」として存在していたと言える。
3.鎌倉幕府の開府は、京都に取って代わったところにある。源頼朝は、平家の失敗を教訓として武門による国家経営の時代を開いた。しかし頼朝は、京都にはそれほど強く対抗したわけではない。
4.強硬であったのは、京都には何の未練もない北條氏であった。朝廷側が反革命のクーデターを企てた「承久の乱」に際しての、北條政子の坂東武者に向かっての激烈な演説には、京都に対する遠慮が無い。ここに武門による支配がはじめて確立することになった。しかし、
5.北條といえども京都をつぶすことまでは徹底せず、京都から与えられる位、昔の国司の尊称である「何とかの守」などは武士に与えられていた。京都のお公家衆の影響力は、なぜか日本の中に根付いていたことになる。敢えて敵を作らず、曖昧に処理をしてきた日本人の生き方が(精神 思想)このドラマの見どころなのかな。(発明くん 2022/01/17)