日本はなぜ、半導体事業で負けたのか(2/2)
続いて朝日新聞の「経済✙」欄で半導体ウオーズⅡが取り上げられていた(3回連載)。記事の原文から引用
5月27日:ルネサス自動車依存のひずみ
半導体は日本のお家芸だったが、20世紀末にかけて衰退。日立製作所、NEC、三菱電機の半導体事業は合従連携によって「日の丸」半導体の2社に生まれ変わった。記憶用半導体「DRAM」事業のエルピーダメモリと、機器の制御や演算に用いる「ロジック半導体」のルネサンスだ。エルピーダは、海外勢の安値攻勢を受け手2012年に経営破綻。米半導体大手に買収された。
5月28日:「日本がだめに」国家事業を目指す
国の半導体支援は、「失敗」で語られがちだ。2001年の「MIRAIプロジエクト」は10年で465億円かけたが「国費の無駄」(業界筋)との批判さえある。成功体験を抱えた参加企業は、競争にこだわって技術を囲い込んだ。一方それに先立つ1976年の「超LSI技術研究組合」(国費290億円)は成功し、半導体を生んだ米国と競う躍進につながった。
5月29日:脱依存へ 米も韓も巨額投資
生産拠点のアジア偏重の一方で、米欧は依然として、「チップの設計」という最も付加価値が高い分野では強い競争力を有する。21日に開かれた米韓首脳会談に合わせ、サムソン電子は170億ドル(約1.8兆円)にも及ぶ投資計画を打ち出した、半導体受託生産工場を米国内に建設する(中略)。米韓で兆円単位の投資や支援策が相次ぐ半導体業界。この30年、後退続きの日本はさらに置き去りにされかねない。
前回のブログでも述べたが、多くの日本人が苦手としている分野がある。それは、、1).「発想・視点」の転換を促す情報力、即ち「インテリジエンス力」、 2).変化に合わせたイノベーションを生み出す「創造力」、 3).世界へ「物・事・考え」を伝える「論理力」である。この条件を満たした日本人はいるが、半導体産業は、「ジャパン・ア ズ・ナンバーワン」で舞い上がっており、彼らが出すアイデアは単なる変わり者の提案 で、「そんなことはできるはずがない」「ビジネスに繋がらない投資(リスク)は避けるべき」と処理されていたのではなかろうか。お役所と会社組織にも問題があるようだ。(発明くん 2021/05/31)
★「日の丸半導体」がなぜ衰退したのか:能書きはIPMAのHPへアップしました。
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