日本語教室:井上ひさし(新潮新書)で、木下先生が言いたいことを紹介している。
“木下先生の教え子たちが一生懸命に自分たちの研究で英語で書こうとしてもぜんぜん書けない。かいてもメチャクチャなのです。木下先生は、さんざんそれを観察し考えました。そして結局、教え子たちは日本語を知らない。日本語を知らないから英語が書けないのだということに気づいた。”
理科系の作文技術:木下是雄(中公新書)に「文の構造と文章の流れ」という章がある。この章で木下先生は理論物理学者のレゲットが日本語について寄稿している内容を紹介している。
“日本語では、いくつかのことを書き並べるとき、その内容や相互の関連がパラグラフ全体を読んだ後ではじめてわかる。つまり文章を全部読み終えてはじめてわかる、という書き方が日本では許されているらしい。英語ではこれは許されない。英語では読者が想像力を働かせながら、あるいは補って読んでくれるということはあり得ない。”
木下先生は、「レゲットの樹」を逆茂木(さかもぎ)型と命名し、日本語の構造がとても分かりやすく説明されている。興味のある方にはお薦め。
私は知財経営塾(IPMA)を通じて、曖昧日本語が及ぼす知財(特許)文書の品質について危惧を抱き“このままでは「知財立国日本」の実現は難しい”などといった能書きを発信してきた。しかし私のような変なおじさんの能書きは説得力がない。やはり権威(学識・経験)のある人が説く書き物は、素人(私)の書き物とは違うことを痛感した。また知財業界だけでなく様々の業界でも、やさしい伝わる「平明日本語運動」の必要性があり、その努力をされている人がいることで明るい気持ちに成れた。
1.論文は、読者に向けて書くべきもの
2.論文は、著者の思いを満たすために書くものではない
3.論文は、ハッキリと言い切る姿勢と論理力が必要
・日本人は、明確にな言い方、断定的な言い方を避ける傾向にある
・英語にならない日本語は避ける、普遍的な日本語表現を強く意識する
・日本と西欧との文化の差を知る
・・西欧は契約社会、日本は阿吽の社会 等々
(発明くん 020/07/20)
【能書き】:世界で通用する特許出願明細書を作ろうは、こちらから
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