「転換・革命期」の時代背景(6)
まず、新聞記事で紹介されている会社のホームページヘアクセスし、IoT関連事業の開示情報を収集する。そして各社の事業計画の内容を確認する。
三菱電機、安川電機など国内の主要メーカの連携は、工場の製造現場の効率化と最適化を目指すシステムで、人間とロボットの協業が主役である。このモデルは、欧州、特にドイツ政府が展開している「Industry 4.0」に近いことが分かった。
一方のコマツは、「Industry 4.0」とは異なり、顧客現場のIoTに力点が置かれている。これは、GE社が中心となって米国で展開している製品運営の効率化と最適化(保守も)を第一とする方向に近い。そして「コムトラックス」と「ランドログ」が、どのような構想で構築されたプラットフオーム(知的基盤)なのか、が分かった。
各社が連携をしている企業名や研究機関名(大学)も分かった。更に、稼動分析、状態監視、遠隔操作、自動運転、故障予知、事前保守、安全管理、協業ロボット、3Dプリンター、3Dデジタルと、いった用語(キーワード)も拾えた。これ等の用語は、次の調査ステップへ進めていく行くに必要な大切な情報となる。しかし、これだけの情報では足らない。GE社、「Industry 4.0」に関する詳しい情報がほしい。更にGE社以外のアメリカ企業、ドイツ企業以外のヨーロッパ企業、そして中国企業に関する情報も欲しい。日本国内の情報だけでは「ダメ」である。さて問題は、社長である発明くんの能力である。彼は、英語を苦手としている。
そうだ、これは「あの人」に頼むしかない。「あの人」彼は、グローバル企業で商品企画の仕事をやってきた情報分析の達人である。日本語で読むより英語で読んだほうが正確に早く読み取れるそうだ。しかも、お金を払わないで済むのは助かる。
調査目的の確認を幾度も繰り返し、御互いが理解出来たところでスタートである。調査の目的は、「株式会社 発明くん製作所」が第4次産業革命に対応していくには、自社が持たない技術は何か、その技術は自社で研究開発ができるのか、その猶予(時間)は有るのかといった課題の解決を見出すための調査である。
だが、数ヶ月かけた彼の調査レポートを読む限り、「株式会社 発明くん製作所」の将来は危うい。その理由は、知恵が無い、想像力が無い、変わる勇気が無い、IT技術が無い、お金が無い、要するにどうしょうも無い、の「無い無い尽くし」であるらだ。あるのは、これまでやってきた拘りだけである。「下町ロケット」の著者である池井戸 潤さんなら、弱小中小企業の挑戦物語をどのように筋立てていくだろうか。そんなことを「フッ」と考えたりする。(発明くん 2019/10/25)