「転換・革命期」の時代背景(3)
第4次産業革命の中で、会社の持続的発展を目指すなら「IPランドスケープ」という言葉遊びでなく、その本質(意義)と目的を「しっかり」と探り出し、自社の「IPランドスケープ」を設計することが、会社経営戦略に必要と考えている。
「IPランドスケープ」に使われる「調査レポート」の作成は、会社の知的財産部が担うのが適切だと考えている。知的財産部は、氾濫する情報の中から必要情報を感知し、それを会社経営に約立たせる、あるいは自社技術に結びつけて新商品開発に役立ちそうな情報を提供するという重要な仕事がある。それは会社の中で、最も多くの情報(多種多様)と接している部門であること、様々な調査を経験していることが理由である。
知的財産部門は、特許の「出願業務」と権利の「保全管理」だけをやっていたのでは、やがて存在価値はなくなる。従来のやり方を変えようとしないで、この仕事だけに拘り続けていると、いずれ知的財産部門の不要論が勃発する。「ボヤー」としているとリストラに合い「チコちゃん」に叱られる羽目になる。
知的財産部は、経営上層部(事業責任者)への情報参謀役を認識し、その責任を果たすことで、更に存在価値を高めることが出来る。そのためには知財マンは、情報の分析スキルを更に鍛え、会社の事業戦略の立案に欠かせない人材になることである。「情報参謀役」に求められる能力は、情報感度(感性)の良さと「社会の営み」の多様さを受け入れる柔軟性である。いま会社が抱えている緊急の課題は、「IPランドスケープ」に使われる「調査レポート」を作成できる人材の不足である、その人材の育成が急がれている。
ここで調査レポート作成者(情報分析者)に求められる資質(能力)について述べてみる。まずは、現状を把握する「分析力」と課題(問題)を見つける「探索力」が必要である。次に課題が見つかれば、その対応策(解決策)を考え、立案する「策定力」が求められる。そして、それらを分かりやすく明快に伝える「説明力」と、その提案が受け入れられた時に関係者の協力を得て「実行・推進」ができる「行動力」が必要である。それには「事」の本質を知り得る(見極める)知識・知恵・経験、即ち「知力(インテリジェンス)」が必要である。AIに使われるのでなく、使いこなすことで「グローバル知財」で活躍ができる超一流の「スター知財マン」になればリストラなんて恐れることは無い。
「スター知財マン」をめざすなら、矛盾を生まない「論理力」を身につけること。自分のアタマで幾つかの答えを導き出せる「創造力」と「思考力」を鍛えること。さすれば物事の本質が見え、物事を多面的に捉えられ、受身での仕事でなく前向きの仕事がこなせるようになる。それらの資質が、課題を発見する力となる。そして進むべき道筋(答えに向かって)を幾つか見つけることができる。それが周り人からの力を得ることにも繋がる。
次は、情報との付き合い方について述べる。まず情報は、いろんな視点から串刺しにすることが原点となる。情報は、元々が無色・無臭である。その情報に特別なベクトルを働かせることによって色がつき、匂いを発し、やがて熱を帯びてくる。そして血が通う。何事も好奇心をもって、おもしろおかしく積極的な人間になれば、そんな人の周りには人も情報も集まる。(発明くん 2019/10/16)
参考):情報を制する者が戦いに勝つ、情報と会社経営の関わりは、こちらから
https://www.ipma-japan.org/elearn/e-learn_6-04/index.htm