瀋陽南駅(旧奉天駅)から大連駅までの移動は中国高速鉄道で、所要時間は約2時間20分です。1937年に開業した大連駅の景観は上野駅がモデルです。大連駅は乗降客の移動を立体的に分離した先進的な駅になっています。大連は見所が多く滞在予定を2日間にしました。大連大広場(現・中山広場)は、帝政ロシアの租借地時代に「多心方線状街路(円形広場」)を持ったパリをモデルにしたそうです。この広場には横浜正金銀行大連支店、東洋拓殖大連支店、朝鮮銀行大連支点、関東逓信局、大連ヤマトホテル、大連市役所など、日本機関の建物(何れも旧)がたくさんあります。因みに帝政ロシアの租借地であったダーリニーは、1905年2月11日に日本軍によって「大連と」改名された、とのことです。
他に沢山の見処があります。「旧満州国への玄関口、大連港と満鉄大連埠頭事務所」、「帝政ロシア時代の面影が残る、異国情緒溢れる露西亜町」、「旧満州支配の国策会社、旧満鉄本社と旧満鉄近江町社宅」、「最先端の総合病院、旧満鉄大連医院」、「閑静な高級住宅街、南山麓住宅街」など、を見学しました。旅順への訪問は諦めました。大連での食事は、地元で大人気の餃子専門店で餃子三昧です。また日本には無い「魚介海鮮蒸し鍋料理」を堪能しました。しかも驚くほどの安さで、とにかく美味しいです。締めに出た雑炊は、また食べに行きたいです。
では、本題に入ります。「曖昧日本の翻訳は、さすがの人工頭脳(AI)もお手上げでした」というお話です。実は日本を発つ前にモバイル(携帯電話)へ翻訳ソフトをインストールしておきました。今回の旅行は張さん家族(奥様と5歳の長女)と私共夫婦の5人です。しかもガイドさんもついてくれていますので翻訳ソフトを使うことは無いでしょう。しかし、うちのカミさんは子供が大好きで、張さんのお子様と仲良くすることを楽しみにしていました。その手段として翻訳ソフトをインストールしたのです。しかし、肝心要の音声入力が上手く作動しませんので、文字入力を使うしかありません。カミさん、いつもの調子で「コテコテ」の思い入れの強い日本語を入力し、中国語へ変換して奥様へ見せましたが、意味不明とのことです。カミさん”やはり翻訳ソフトは使えないですね”と不機嫌です。
そこで、私の出番です。どんな日本語を入力したのか確認しました。この日本語では、とても無理だ!早速、文章を作り直してカミさんへ渡しました。早速、中国語へ翻訳した画面を奥様に見せました。”何とか理解できます”と言ってくれました。カミさんが伝えたいことを汲み取って、お子様へ伝えてくれました。お子様は恥ずかしそうでしたが、とても喜んでくれました。カミさん”それにしても翻訳ソフトは凄く賢いですね”と、先ほどの不機嫌がコロッと直りました。もう一つの成果は、これまで言い続けてきた「伝わる日本語、訳せる日本語」の必要性を、やっと理解してくれたことです。関連ブログ):日本語の難しさを改めて知りました:
http://nihonir.exblog.jp/24047292/ 次は、観光地で見かける掲示板(注意事)について、とある方から聞いた話しです。『掲示板は日本語だけでなく、英語でも書かれています。多分、この英語は翻訳ソフトを使ったと思われます。おかしな英語になっておりで理解が難しかったです。そこで(興味本意)、その英訳文を翻訳ソフトで「逆翻訳」したら、なんと!驚きです。掲示板に書かれていた日本語と殆ど変わらない日本語で翻訳されました。「AI翻訳」は、言語の意味を一語一句まで考えてくれるわけでなく、膨大なデータから似たデータを抽出してくれる頭脳のようです。つまり元の日本語から英訳したデータを夫々覚えていますので、逆翻訳した時に元の日本語が抽出されるのでは・・・』 と。
「訳せる日本語、伝わる日本語」について、知り合いの翻訳者から頂いた資料を紹介します。原文の日本語は、日本人であれば充分に理解ができる比較的分かりやすい文章になっています。しかし、少し手を加えるだけで、更に機械翻訳ソフトの支援が受けられ易くなりますヨ、という「一例」として挙げてくれました。興味のある方は、両方の日本語を入力して試してみて下さい。
【原文日本語】:取り扱いが容易な部材がベルトコンベア上に適切に配置されている。
【修正日本語】:部材がベルトコンベア上に配置されている。その部材は取り扱いが容易である。その配置は適切である。
余談ですが、政治家や役人のトップが問題発言をすると必ず弁明します。「誤解を招く不適切な表現があったので撤回します。真意は・・・・・」と責任回避をします。つまり発言者の本心は「自分の発言に間違いは無い、聞いた人が正しく理解していない、誤った解釈をしている」ということでしょう。 要するに自分の発言内容が国民が認める正論か否かを、問いただす以前の問題で、国民の理解力を問うているとしか思えません。特許明細書も同じことでは困ります。「プロが書いた特許明細書を理解できないのは、読み手側の勉強不足である」と。(2017/8/10 発明くん):(お知らせ):よく読まれてきた過去ブログをPDFにしました。お時間のある時にお読み頂けると幸いです:良い夏休みをお過ごし下さい。
http://www.ipma-japan.org/link02.html