前号のキーワード、アンチプロパテントの関連記事について。朝日新聞(2017/04/01土曜版)「サザエさんをさがして」から引用。三角サンドイッチの発祥は同潤会大塚女子アパート一階のテナント。経営者は大林茂、考(こう)夫婦。三角サンドイッチは夫婦が開発し、昭和25年に特許庁へ申請した。発明の効果は四角に比べ、真ん中を斜めに切ってあるから挟んである具が良く見える。三角サンドイッチの特許は取得したが皆が自由に使えるように開放(放棄)したとのこと。その理由は、東京オリンピックで三角サンドイッチを普及させたかったからだ、と。
では前号の続き。ドイツ政府が進めるIndustry 4.0とInternet of Thingの違いは何処にあるのか。両方ともダイナミックな変化を目指しており、装置、機械、製品の高度接続と自動化を進めることを目的としている。しかしフオーカス(焦点)しているところが異なっている。
Industry 4.0は、スマート工場(Smart Factory」における生産(製造)プロセスを基本的な焦点分野としている。このプロセスは御互いの交信を「高度接続」し、自動化された機械にその基盤をおいている。更にそのプロセスの中で関連する要素、コーポネント、リソースとプロセスは製造前の段階から成っている。これからの工場は飛躍的な生産性と柔軟性の向上を見せることになる。
Internet of Things(IOT)は、デジタル化された「接続装置」と「製品」の両局面(Phase)に焦点を合わせている。製品ベンダーは御客が使っている自分の製品と通信が出来、「予知保守(Predictive maintenance)などの“新しいデ
ジタル御客サービス”を提供することを可能とする。
何れの共通点は、①メーカの垣根を超えて情報が交換されるためにはオープンな標準化が求められる。②センサーからの関連データをソフトウエアで全てを記録(ビッグデータ)し、リアルタイムでの監視が行なわれる。③変わり行く市場と製造状況に合わせて「自己進化」し続けるAI技術の進化が成功の前提となる。詰まるところ、ハード、ソフト、ソリューションを生かすのは現場の人間次第である。
日本は、Industry 4.0の方が現実的と思うがドイツ企業に遅れを取っていることも懸念される。因みに中国の大手家電メーカ(美的集団)は、ドイツの代表的ロボットメーカーであるクーカ社へ買収オフアー(2016年6月の報道によると50億ドル)をしているという情報がある。(発明くん2017/04/25)
(お知らせ):孫子の兵法から学ぶ「知的財産戦略」をスライド型にしてアップしてみました。孫子フアンの方、仕事合間の息抜きに目を通していただけると幸いです。
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