世界規模で情報を分析し、事業の将来を見通す
例えば、「IoT技術」の世界特許を分析することで、特許だけでは事業は守れない、特許の地位(価値)は低下する、ことが見えてきます。今後は特許、秘匿技術、商標、意匠、そして著作権を重視した総合的な「知財戦略」が必要なことが分かります。今月から「米国の特許出願傾向から見るIOT技術関連特許」というテーマを取り上げ、様々な観点から追ってみたいと思います。その前に、先月のブログに関連する記事があったので紹介します。
1).朝日新聞8月27日戦後の原点:
戦後70年談話について、政権は殖民地支配を批判しながらも謝罪はなく、誰が、何処で、何を、どんな方法で、実行し、支配を行ったかは明示していない。指導者たちは、直視したくない問題を都合よく曖昧にし、紛らわしくして発信する。多義的に解釈できる曖昧な情報は、受けて側の理解にゆだねることになる。問題を複雑化させ、時が立つにつれて解決が難しくなる。
2).朝日新聞9月5日大野晋(岩波新書「日本語の教室」から)
「美しい日本語も大事です。しかし現在の日本にとって大切なのは、そうした感受に傾いた日本語の使い方でなくて、正確な日本語、的確な日本語、文意の明瞭に分かる日本語を日本人一般がもっともっと心がけるべきだということです」。
では本題へ進みます。
第一回は「ビジネスモデル特許からIoT特許を知るのが早道」
1980年代半ばから米国政府の方策は、重点を製造業からサービス業に転換し、中でも知恵・知識といったソフト面に力点を置くようになりました。その中から、知的財産権(intellectual property)とりわけ特許権が極めて重 要視されるようになりました。特許権重視の中から、米国が圧倒的に優位に立っているソフトウエア(プログラム)技術に特許権を与えるようになり、その延長線上でビジネスメソド(business method)にも特許権が与えられる ところまで進 みました。これがビジネスモデル特許です。
その後も米国は、IT(Information Technologies)分野、とりわけネットワークコンピュータシステム分野の技術開発に重点を置き、世界から人材を集めてきました。否、世界から優秀な人材が集まる仕組みができているようです。いまや米国は、この分野で世界の先頭を走っています。米国はこの優位性を活かし、GE社などがInternet of Thingsで、工業界の主導権を握ることを目指して います。これが、いま話 題のインターネットによる物つくり、つまり「IoT」です。因みに米国企業とドイツ企業の「IoT関連米国特許調査」を試行しましたが、日本企業が目指す技術領域との違い、データの活用技術の遅れは歴然です。(発明くん2016/09/21)