知的財産分野にも改革が必要とされている。改革と言うと、小泉流の「ぶっ壊す」がイメ-ジされるが、これは間違いである。なにもかも「ぶっ壊す」と、これまでの経験や知識の全てが否定され、「ぶっ壊す」リ-ダの独裁、独善を生み出す危険がある。
真の改革とは、過去を洗いざらい整理して、これまでの歪を見直すことである。と言う事は、権力が無くても、当人が「正しいことをやる」、という強い使命感さえあれば改革はできるのである。また、日ごろから「正しい行動」さえしていれば、例え会社が不始末を起しても、其の人は躊躇無く正しく処理することができるのだ。それが会社を救うことにもつながる。
明治維新は革命ともいわれているが、革命で成功した国は日本だけではないかと思う。新しい文明を認めたくない武士の反乱を除けば、おおむね上手くいっている。其の理由は徳川幕府が構築したインフラを否定せず、引き継いで改善、工夫をしてきたからこそ、工業化が進み近代国家ができたのである。落ちぶれたとはいえ、徳川幕府にも将来を見据えていた人材がいたらしく、横須賀の製鉄所、造船所は徳川幕府の手によって基礎が作られたものである。改善、工夫には終わりが無いが其の基本は過去を整理して見直すことである。(矢間伸次)