新入社員が「特許嫌い」にならない「知財教育」をする必要があります
4月は新入社員の入社式と社内研修で社内は活気つくと思います。彼らが持っている資質を活かし、会社の屋台骨を支える人材として成長をさせるならば社員教育がとても重要となります。いま会社はグローバル社会で活躍できる人材を求めています。日本の教育制度ではグローバル人材を育成するには「チョイト」きついかも知れませんね。会社は「グローバル社会で通用する人材育成」に必要な独自の社員教育プログラムを構築していくしかないでしょう。
技術者向けに実施される「知的財産教育」のあり方も変えた方がよいかもしれません。「特許とは自然法則を利用して云々」といった難しいことは「サラッ」と流して、技術者は特許と係わることで発明能力がアップすること、つまり自分の利益になることを明確に伝えた方が彼らは納得する筈です。例えば発明仕様書(提案書)の作成は自分の発明を論理的に説明する構成力と論理的に記述する文章能力が求められます。即ちこの「論理的思考能力」こそが発明能力をアップさせる源泉となり、また自己表現の手段となり得ること、会社もそれを強く望んでいることをキッチリと伝えることです。
では論理思考とはどのような思考回路のことでしょうか。それは「物、事、考え」を明確に突き詰め、矛盾が出ないように整理して文章、あるいは言語で伝えることだと思います。
例えば先の都知事選挙の結果分析について考えてみます。防衛省出身の候補者が若い層に支持を受けていますという報道がされていました。その根拠は20代が20%を超えた、30代が20%近く獲得したから、ということです。
数値の根拠をもっと確かなものにするには何か足らないと思いませんか?不思議なことに20代、30代、40代、・・・それぞれ世代の投票者数、つまり分母がありませんね。しかしこの報道を聞いて、多くの日本人は何となく納得しますが、外国人にとっては理解し難い報道ではないかと思います。知り合いの中国人の方も同じことを言っていました。「受け取り側の判断に任せるという解釈範囲の広い日本語はとても難しい」と。
グローバル人材を育てるには日本人が気づいていないことから学ぶのが案外と早道かも知れません。弊社は、ものごとに対して「なぜ?なぜ?」を論理的に考える「知的財産教育プログラム」を幾つか用意しています。お役に立ちそうなプログラムがあればぜひ声を掛けてください。講座の一部を紹介しておきます。
1.特許は「研究・開発・技術者」のため、つまり自分のためにあるのです
2.強い特許明細書へ繋がる発明の展開方法と発明仕様書(提案書)の作成方法
3.特許情報の解析から「筋の良い研究・開発テーマ」を生み出す方法
・・・など
詳細は
日本アイアール知的財産活用研究所「知的財産研修センター」のサイトをご参照ください、
(矢間伸次)