2013年も無事に終えそうです。これもお客様のご支援のおかげです。まことにありがとうございます。
このところ知財業界では「知的資産経営」すなわち「知財経営」がキーワードになっているようです。これを私流に纏めてみます。「知財経営」とは、知的財産のマネジメント法です。知的財産をマネジメントすることで自社の「技術ブランド」を高めるめることができます。その結果、会社の信用が得られ、会社の持続発展に必要な投資資金が得られる易くなるという考えです。「知財マネジメントシステム」を推進、運営するには「知財マニュアル」を整えていく必要があります。
「知財マネジメントシステム」の運営で重要なことは「知財戦略」の策定と「知財文書」の品質管理です。「知財戦略」の基本は、事業形態に合った特許出願の目的、商品と乖離しない特許活用の方法、開示する知財と守秘する知財の運用、特許の「共生(共創)と戦い」の2面活用などを整理して、それぞれの戦略を策定するところから始まります。それには世界で活躍ができる「知財人材」と世界で通用する武器となる特許の権利書が必要です、と纏めました。
2013年もいろんな会社へ訪問しました。知財部門の悩みは、どこの会社も共通です。盛り上がった話題を簡単に整理してみます。
1.現場から「筋のよい発明」が上がってこない
・発明提案書の提出案件も減っている
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研究開発者を対象に発明提案書作成の研修を実施
2.障害となる特許があるため新規事業への進出が遅れる
・技術領域が広がり、
侵害調査の対象となる情報がどんどん増えていく
・特許明細書が読みにくて侵害調査に膨大な時間がかかる
・技術者にとって「公知(あたりまえ)」と思われる技術が特許になっている
3.中国は実用新案と
意匠をうまく活用する知恵と工夫が必要
・中国知財の実態を知りえる情報が足らない
4.知財コストの削減目標は国内出願を減らすことで達成
・コスト削減が優先される、業者の価格競争が激化、品質に与える影響は
・海外出願は現地事務所と直接取引をするが、やはり不安が残る
5.海外出願明細書の翻訳品質は,諦めが半分、後は運、が現状
6.特許権利の維持、特許権利の放棄は誰がどんなルールで決めるのか、
7.国際化に必要な知財スキルを積むには部員の海外出張を増やす
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部員の海外出張前に「特許英語」の学習教材を活用
新しい年も変わらぬお付き合いをお願いします(矢間伸次2013/12/18)