閣諸島の領土問題で「日中間」の関係は最悪に成なっている。「日本アイアールさんも影響があるでしょう、どうですか?」という質問を受ける。確かに、クライアントさんからの相談は増えている。しかし、どこのクライアントさんも結論は決まっている。それは「今更中国から完全撤退は出来ない。これまで100%あった売り上げが、今回のイザコザで30%に減ったとしても、中国市場で商売する以上は特許を出しておかねばならない。確かに、いまは30%まで落ち込んでいるが、中国市場や周辺のアジア市場の将来を見据えれば、やはり、強固な外国特許明細書を、作り上げておくことが基本である」という決意は変わっていない。日本国への特許出願よりも重視していることが明確である。
チョイト一言、日本政府と日本企業は「成熟期・衰退期」を迎える日本の将来を見据えて、成長期にある中国へ投資をしてきたのではなかろうか?。筋書きとおり、日本国内は衰退期を向かえた。ところが、中国から投資の回収(利益を分け合う)をする矢先に、ビジネスの現場を知らない連中が、この仕組みを壊したとしか思えない。
我々日本人は、問題の先送りをしたがる、あるいは場当たり的に処理をしたがる習性がある。「イザ」問題が起きた時は、回りの風を最優先にして、「ウヤムヤ」にして先送りしたり、「あわてて」場当たり的に処理をする。特許の世界も同じである。やるべき時に何もせずに、あるいは、いらんことをして、災いの「タネ」を残している限り、その災いは後輩たちに押し付けられることになる。「イザ」問題が起きた時に、いくら最善を尽くしても最善の尽くしようがなくなる。日本人は「戦略」と言う言葉が好きなわりには、チッとも「戦略的」ではない。(矢間伸次2012年10月29日)