グローバル社会で生き抜くには「ブランド力」を武器にする
廻りを気にせず、わが道を行き「個人ブランド」を構築している人達は、いま大変な逆風を受けていると思う。日本では、廻りの空気を感じ取り、背を向けないことが上手に生きていくコツである。明文化されていないルールや規制と言った事柄については、お互いが問い詰めず、明確な回答を求めず曖昧にすることが日本流である。
この日本流に拘り「個人ブランド」の創出を阻止しているのは誰か?それは、安穏と平和に生きて来れた既得権を持つ既存勢力である。ただ厄介なことに、この既存勢力が及ぼす影響力は依然として強いものがある。暫くは既存勢力と日本流に背を向けた新興勢力とのせめぎ合いは続くことになる。ただ既存勢力からイノベーションを生み出す可能性は限りなくゼロに近い、何故なら既存勢力の連中は思考が停止しているからだ。これは自信を持って保証する(笑)。
日本アイアールは「アイアールブランド」に拘る経営を進めている。業界の商慣習に囚われず,例え背を向けて村八分になったとしても、視線がお客に向いていれば怖がることは無い。摩擦が起きたり、波紋が広がり非難されることが起こるかもしれないが新しい市場は必ず作り出せる筈だ。ただし、日本アイアール創立以来の理念である「身のほど経営」を踏み越えて背伸びをする気は全く無い。
日本アイアールは、多種多様のサービスを提供しているが多くのサービスが「手つくり商品」である。例えば中国への特許出願業務がその代表格かもしれない。
日本から中国への特許出願件数は、なんと4万件/年に及んでいる。10%のシェアが取れたら何と4000件/年である。1%でも400件/年、である。この400件/年を月に均すと30数件/月となる。中国特許明細書の作成は大量生産が出来ない。一点一点が「手つくり商品」である。中国弁理士が幾ら頑張っても3~4件/人が限界である。「紙クズ同然」の中国特許明細」で良いなら「ホイホイ」と幾らでも生産は出来るが、それをやったら日本アイアールは、いずれ潰れる。
日本で中国弁理士(超有能)が、お客様と打ち合わせをしながら中国特許明細書を作成するビジネスモデルは弊社しか出来ない。このところたくさんの問い合わせを頂いている。しかし、弊社が引き受けられる件数は限られている。「出来ないものは出来ない」とお断りするしかない(勿体無いとは思わない)。その代わり引き受けるお客の選別は明確にしている。
それは弊社の仕事を正しく評価してくれるお客様である。中国特許出願で問題になっている本質の問題を洗い出し真剣に改善する意欲の有るお客様である。品質の要求は高く、お互いのスキルが向上していく仕事の進め方が出来るお客様である、等々。
上記条件に合う、お客ならば絶対にお断りはしない。例え徹夜をしても、休日出勤をしてでも受けた責任は果たす。
工場で生産される工業製品は、シェアの獲得が生き残る生命線であろう。日本アイアールが提供するサービスはシェアには一切関係ない。「個人ブランド」力で新しい価値を生み出し費用対効果の高い高品質の商品を届けるだけである。会社が大きい、小さいは関係ないのである。(矢間伸次)