日本の元気を取り戻すのは「知財マン」
大風呂敷を広げてホラを吹いているのではない。小泉政権の時に当時の政府が「知財立国日本」の旗を立てたことは間違いではない。日本は自然資源に恵まれていないが、「知的資源」の蓄積がある。では,なぜ「知財立国日本」の実現は,遅々として進まないのか?
その理由は簡単である。「日本知財」が抱える本質の問題を置き去りにしたことである。それは「グローバル知財」の現状分析が欠如しており「日本知財」との比較が充分に議論されないまま運営してきたからである。「日本知財」が抱えるの本質の問題を的確に捉え、その問題解決を優先すれば、「知財立国日本」の実現へ明るい兆しが見えて来たはずである。現状(事実)を知る、対策(改善)をたてる、展開(実行)をする、のプロセスがない、理念もない,どうしょうもない!
「グローバル知財」の本質は、知的財産権の「共生」と「競争」である。「共生」とは、世界のパートナーが知的財産権を安心して使えることである。「競争」とは、自分を含めて世界のパートナーを知的財産権の侵害から守る為の戦いであるから、その戦いに勝たなければ成らない。
知的財産権の活用は下記の2面を持つ。
①知的財産権を世界へライセンスして収入を得ることである。日本人が地球の裏側まで出向いて「自前主義」を貫くことは出来ない(日本人に向いていない)。日本はは世界のパートナーから得たライセンス収入で次世代技術を開発すべきである(日本人に向いている)。その為には世界からパートナーを呼び込める魅力の有る知的財産権の取得が必要である。魅力があると言うことは、その知的財産権のライセンスを受けることで自分たちのビジネスが成功することである。特許明細書が「事業計画書」であると言われる所以はここにある。
②取得した知的財産権の不法侵入者を排他して、自分とパートナーを保護して利益を確保するために戦わねば成らない。「詰まるところ、IP戦争とは、言葉の戦争である」。特許明細書が「契約書」であると言われる所以はここにある。
ここまで言えば、皆さんは直ぐに気ずく筈だ。世界で通用する(共生と戦争)特許明細書が必要である。つまり知的資産を「ドキュメント化」して知的財産化することが、いかに重要か!我々が作成している「ドキュメント」は、果たして世界の中で受け入れられてるのか?(誤解なく正確に理解されているか?)
元気な日本を復活させるには「日本知財」に拘わっている人たちが、自分が「知財立国日本」の実現に関わり日本を元気にする、という高い「志」を持つ必要がある。そのためには「知財マン」は何をすべきか、。「管理知財」から「経営地財」への転換が急がれる。いよいよ「知財倒産」が現実となってきた。「知財マン」の役割はとても重い、しかし、その分やりがいがある筈だ。
★今後の「発明くん便り」は、日本全国の「知財マン」が元気になれる、そんなコラムにしたいと思います。新しい年もどうぞよろしく御願いします。良い新年をお迎え下さい。(矢間伸次)