朝日がんフォーラムの記事検討を続ける
文章(6)これらの検査で肺がんが疑われた場合、実際に病変の細胞や組織を採って顕微鏡で調べる「診断確定のための検査」に進みます。
-この文章で難しい部分は”病変の細胞や組織”である。意味していることを何とか理解しようと試みると、述べられていることは:がん腫瘍の疑いがある部分の細胞や生体組織を採集してそれを顕微鏡で調べます、ということだろう。
書きなおしてみる:
これらの検査で肺がんの疑いがある場合には、その疑わしき部分の細胞や生体組織を採集して顕微鏡で調べます。この検査を「診断確定検査」と言います。
(7)「気管支鏡検査」は内視鏡を口から挿入し、気管支の組織や細胞を採取します。
-この文章がなにやら怪しいのは、検査は-XXXを-採取する、となっているからである。採取という行為は検査のための手段であるから、変な文章という印象が出てくる。
書きなおしてみる:
気管支にがんの疑いがある場合には、内視鏡を口から飲み込んでもらい、その映像を見ながら医師が特殊なピンンセットで生体組織を採取します。
次の文章は大変!!
(8)直視下やX線透視下で見えない場合や病変に到達しない場合は、
X線やCTを見ながら皮膚に針を刺して細胞や組織を採る「経皮針生検・CTガイド下肺針生検」や、
胸に3カ所ほど小さく開けた穴から器具を入れて胸腔内の組織を採る「胸腔鏡下肺生検」などが行われます。
-この文章を読み上げてもらっただけでどのような検査が行われるのか理解できる人は、肺がんに3、4回かかった人ぐらいだろう。だいたい、なんと読んでいいのか私にはわからないし、何をどうするのか動作のイメージが湧いてこない。
そのようなわけで、以下は怪しげな想像で:
直視下で見えない場合:受診者に飲み込んでもらった鏡に映らない場合
X線透視下で見えない場合:レントゲンを当ててその画像を見ながら細胞なんかを採取するのかね?どんな道具を使うのかしら?
病変に到達しない場合:疑惑の場所が奥の方にあって、長いピンセットも届かない?
「経皮針生検」:皮膚の上から疑惑の場所までずぶりと針を刺して細胞なんかをつかんでくる-これはモニター画面に映るレントゲン画像で疑惑の場所を横目で見ながら行う
「CTガイド下肺針生検」:これはモニター画面に映るCT画像を見ながら肺の上から針を刺して疑惑の細胞を採ってくる
なんだか相当にハリウッドのホラー映画風になってきた。
受診者への説明としては:
1)肺がんの疑いがあれば、その疑わしき部分の細胞や組織(*この区別がわからないのだが)を採取して顕微鏡で調べます。OK?オワカリ?
2)飲み込んだ鏡で映せる近場にその部分があれば、鏡につけられた道具で採ってきます。
3)鏡が届かない場所にある時には、レントゲンやCT画像で疑わしき場所を映しながら、その真上から皮膚を通して針を刺し採取します
ということだろう。
仲間内(医者と看護師、他技能者)で使っている用語を持ち出す必要はないと思われるが、いずれにしてもここでの文章から読み取れるのは、受診者(患者予備軍)に理解してもらう配慮は感じられない。対策としては病気にならないようにする、がベストであろう。
(10.07.30.篠原泰正)