外に開かれた日本語を目指して:研究(15)
(文章27-7)
”を備えたビデオサーバと、”
サプライズ!!地図がないまま霧の中を手探りしてきたが、ここに来て、ようやく、これは”ビデオサーバ”の話しであったことが判明する。文章の構造をさかのぼって確認すると、
(文章27)本発明にかかる映像配信システムは
(27-1)コンテンツ記憶手段と
(27-2)ダイジェスト記憶手段と、
(27-3)コンテンツIDと、
(27-4)コンテンツリスト記憶手段と、
(27-5)送信ストリーム管理手段と、
(27-6)ストリーム送信手段と、
(27-7)を、備えたビデオサーバ
(27-X)を備えることを特徴としている。(*この文章の末尾までを先に見て、加えた)
問題点96:繰り返しになるが、請求項をコピーしても発明の概要を説明できないことは、これまでの記述でもはっきりしている。推測すれば、発明のポイントは、多分、映像のダイジェスト版を用意するところにあるのだろう。
問題点97:”ビデオサーバ”;今から話すのは、”ビデオサーバー”の構成要素とその機能である、とどうして出だしの部分で宣言しないのか。請求項のコピーといえども、それぐらいの修正は行ってもらいたいところである。何の話が展開されているのかわからない状態に読者を導くのが趣味であるとすると、それは相当の悪趣味と言える。いずれにせよ、一つの文章としてみた場合、この文章(27)は文章と言えるものではなく、言語と呼べるかどうかも怪しい。日本語という言語をまったく侮辱したものであると言いたい。
さて、この文章は”ビデオサーバと、”とあるように、これで終りではなく、まだ続く。乗りかかった船と諦めて、最後まで進もう。
(27-8)
”ビデオサーバからダイジェストストリームまたは映像コンテンツを受信するストリーム受信手段と、”
問題点98:ここまでのところから推し測ると、ここからはユーザ側の端末装置の話しであるな、と判定できるが、端末側の話が、突然「受信」から始まるのも異なことである。ものには順序があるから、ここはやはり、映像を送ってくれという要求をサーバに送るところから始めるべきであろう。
(27-9)
”受信したダイジェストストリームまたは映像コンテンツをデコードして出力するデコーダ手段と、”
問題点99:ビデオサーバから映像を端末に送るとき、その映像は「エンコード」(符号化)されている、という話しはここまでに一度も出ていないので、この”デコードする”(符号化されたデータを解凍する)話は、論理的に存在しえない。このような単純なミスがどうして生じるのか、私には不思議である。書いたものを一度読み返せば、論理的につながらない部分は簡単に見つけることができると思われるのだが。
本日は時間がないのでここまで。
(10.03.08.篠原泰正)