玉井誠一郎(PH・D)氏は知財経営工学を提唱している。玉井氏は現在、財団法人産業科学研究会の専務理事を務めている。玉井氏は、社会人大学院で勉強中に薬師寺の(元)管長が言われた「ファジー(曖昧)が諸悪・迷いの根源である」という衝撃的な言葉から知財の工学化を考えたそうだ。玉井氏が、これまで関わってきた「知財分野」は極めて曖昧な存在である。この曖昧が知財部門の諸悪の根源では無かろうか(?)この疑念が「知財経営工学」を研究するキッカケとなった。玉井氏の論文に下記のフレーズが良く出てくる(正確な出所は、書き漏らした)
1.航海のためには、地図(全体像の把握)と羅針盤(哲学)が必要である。
2.世界に通用する普遍的な考え方を堅持することが知識経済社会を生きる基本となる
3.自然界から学ぶ、「あらゆる物質は本質的に一体であり、全体と個は関連して調和している」
4.全体からもの観る、個から全体を観る、この双方の観方が大切である
5.自然、心理の本質は曖昧性ではなくデジタル性にあると考えられないだろうか!
6.知財経営の本質は、知財の安全性と事業優位性の確保を図り、事業価値・企業価値を向上させることではなかろうか!
7.知財を含む開発投資にたいするリターンとしての利益に知財がどの程度、寄与したかを明確化する、この貢献度指数を明確することが知財評価価値ではなかろうか!
8.管理知財は「アナログ知財」である、経営知財とは「デジタル知財」のことではなかろうか!。
【アナログ知財とデジタル知財の比較をしてみる】
1.国内重視の国内競争型(村社会の論理)から(→)
海外重視の世界競争型(グローバル経済の論理)、へ
2.曖昧な日本語と談合に適した表現(内容よりも出願量を競う)から(→)
明快な論理的日本語で発明を開示して説明責任を果たす(出願量より内容を競う)、へ
3.隠す(曖昧に書く)、特許と商品の関連が不明から(→)
オープン(開示)したものは保護される、特許と商品の関連を紐付けして明確化、へ
4.知財PDCAサイクルが廻らず、情報のフィードバックもなく蛸壺型から(→)
知財PDCAサイクルの好循環、情報を共有して学習する組織、へ
5.知財部門のための知財から(→)
経営のための知財、へ
【結論】:無形資産と、知のマネジメントこそが知識経済社会における競争力・価値創造の源泉となる
【結論】:開示したくない技術は特許出願をしなければ良い、開示する技術は理解が得られるように明快に開示する義務がある。(玉井氏の講演から抜粋:許可済み)