このところ、2011/04/20にアップしたブログ「(935)白河以北二束三文:中央と地方の関係」のアクセス数が増えている。その理由は定かではない。恐らくは「復興大臣辞任騒ぎ」により「白河以北一山百文思想」へ結びついたのではなかろうか、このブログに興味のある方は、↓
http://nihonir.exblog.jp/14640454/では本題へ:米国企業(GE社等)が目指すIoTは、物つくり分野での支配力を強めることである。つまり自社のプラットフォームへ、プレイヤーたちを世界中から誘導するビジネスモデルである。そのプラットフォームにある知的財産(以下、知財)は、基本的にはオープンなスタイルが採られている。企業(ベンチャー、新規事業開発)にとっては、知財の侵害を気にせず事業(選択と集中)を進めることができ、「知財コスト」の負担が軽減されるメリットは大きい。
アメリカ様の知財政策は、知財の内容(技術・種類)によって開放主義と保護主義に分けられ、その「運用・活用」は、ややこしくなるであろう。因みにトランプ大統領の長女、イバンカさんは自分の名前が容易に使われることを防ぐために登録商標の申請を増やしており知財管理部署を抱えているという。目的は企業イメージやイバンカブランドに疵が付かないための知財保護対策である、トランプファミリーは知財保護の重要性を認知しているわけだ。一方では知財開放の流れがある。トランプ大統領は、知財の開放政策(アンチパテント)と保護政策(プロパテント)に挟まれるが、適宜に使い分けられる知財政策を模索するであろう。日本は、アメリカ様の御都合に振り回されることになりそうだ。
IoTと言っても、その領域は多岐に及んでおり、どの領域を目指せば良いのか見当が付かないのが現状である。朧ながら見えてきたことがある。それは機器、あるいはシステムに取り付けらる、センサーからのデータを「分析・解析」をし、「機器・システム」の状態を監視して状態の診断を行い、故障や寿命の予知を知り、保守を予知型に変えるというコンセプトではなかろうか。
データを「分析・解析」するのは統計学である。統計学の手法としてデータマイニング術、機械による学習機能等が使われる。これらの塊が「AI(人工知能)」であるらしい。AI、クラウドコンピューティング、ビッグデータなど高度なIT(情報)技術の競争となれば、企業は多様な人材(IT技術者)の確保が急務となる。IT技術者不足の問題は世界共通で日本だけの問題ではない。IT王国である米国でも、その問題は深刻であるらしい。因みに米国の移民規制をチャンスと捉えたカナダは、AI人材の確保への環境を国を挙げて整えているようである。日本人を含めた、世界の「天才IT技術者」は日本企業を選んでくれるであろうか。
資金が豊富で体力のある日本企業は海外企業のM&A(合併、買収)を積極的に推進し、先行する欧米の競合企業と競える企業体質へ変えていくであろう。しかし、成功する保証は無い(海外企業のM&Dは苦手らしい)。では、日本の技術を支えてきた中小企業(専業、部品メーカ)はどうすれば良いのか。これまで創意工夫を重ねて作られて来た「機能・品質」の優れた部品の開発技術と製造技術を「核(コア)」にしてステップアップさせることである。それは「部品のセット販売」、つまりコンポネント化を進めることである。そのコンポネント(スマートコンポネント)の中にIoT技術を組み込んだ「 Made In Japan 製品」で勝負すれば日本の技術は守られるはずだ。日本は、ドイツ型の「Industry 4.0」が手本となる。(2017/05/22 発明くん)
(お知らせ):日本企業は世界の情報を集め「分析・解析」する必要があります。「会社経営と情報の関わり編」:孫子いわく”情報を制する者が戦いに勝つ”をスライド型にしてアップしております。仕事合間の息抜きにどうぞ!
http://www.ipma-japan.org/elearn/e-learn_6-04/(参考):日本経済新聞(2017/04//14)世界最大の半導体受託企業、TSMC社(台湾)の記事から引用です。→同社の強みは知的財産権の豊富な蓄積にある。半導体設計会社、アーム・ホールデイング社(英国)等から技術を購入したりライセンス供与を受けたりしながら技術特許を蓄積してきた。御客が活用できる技術特許は1万件以上。受託製造だけでなく設計開発にも深く関与している。サプライヤーは「TSMC社」を頼らざる得ない状況を作り出した。